農地でのソーラーシステムの設置 転用許可と一時転用のメリットデメリットの比較

農地でのソーラーシステムの設置 転用許可と一時転用のメリットデメリットの比較ソーラー大家の不労所得への道field

ソーラー大家です。

 

既に各種報道もあるためご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、農地に転用なしでソーラーシステムを設置することが例外的に認められました。これについては後ほど詳しく説明するのでまずは元々どのようなルールになっているかご説明します。

 

◆これまでは農地にソーラーシステムを設置するには転用手続きが必要だった

土地の地目が農地となっている場合、そうでない場合も現況が農地である場合には、基本的に転用手続きを行わないと(農業ではない)ソーラーシステムを設置することができません

実際に無断で設置して撤去命令が出て撤去した事例もありますので、必ずこの点は確認する必要があります。

 

転用手続きには、農地の保有者自身(農業従事者)が農地以外に転用する農地法4条転用と農業従事者以外のものが取得・賃貸と同時に農地以外に転用する5条転用があります。

農業振興地域以外であれば、それぞれ粛々と手続きを行えば転用許可が下りると言われておりますが、それなりに時間はかかるかと思います。まずは各地の農業委員会に問い合わせをしてみることが一番かと思います。

(参考)農地の転用手続き(平塚市)

http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/noui/nouten01.htm

 

農地を転用することのメリットとデメリット

メリット:

・既に農地をお持ちで実質遊休地になっている場合に土地の有効活用ができる

・農地は山林と並んで土地が安いです。ソーラーシステム設置には10kWで100平米は最低限必要となりますので安く土地を取得できるとそれだけメリットがあります。

 

デメリット:

・転用することで雑種地等になることで固定資産税が上がります。

・手間と時間がかかります。

・どの土地でも必ず転用許可が下りるわけではない。

 

◆農地転用なしにソーラーシステムの設置が可能に(但し条件多数有り)

これまでが今までの状況でした。これに対して農林水産省から平成25年3月31日付けで、支柱を立ててその下で農業生産を継続する場合には転用手続きが不要となりました。

しかし、農林水産省も抜け穴として使われることを恐れているのかかなり面倒な条件を加えています。

・下記の一時転用の申請が必要。

・ソーラーシステムについて一時転用許可を行うが許可期間は3年間に限定(但し延長可能)。

・周辺の農地に支障を与えないかチェックされる。

年に1回の報告が義務づけられ、かつ本来の目的である農産物の生産に支障が生じていないかチェックされる。

 

参照

支柱を立てて営農を継続する太陽光発電設備等についての農地転用許可制度上の取扱いについて

http://www.maff.go.jp/j/press/nousin/noukei/pdf/130401-01.pdf

 

一時転用のメリットとデメリット

メリット:

・転用許可が下りない地域でもソーラーシステムの設置が可能に

・地目が農地のままであるため固定資産税が安いと思われる(税務署の見解次第の可能性もあり)

・本来の制度趣旨である農業を継続しながら土地の高度利用が図れる(二重に美味しい)

 

デメリット:

・ソーラーシステムも農作物も太陽光が基本的には必要なため半日陰に限定される

(意外とあります 半陰性・陰性植物 http://www.atariya.net/kiso/nisho.htm

シソなんて認められるのでしょうか?簡単ですね。)

・農地にソーラーシステムの支柱があったら農作業上は結構邪魔です。

・煩雑な手続きと色々とチェック時に条件を付けられる可能性大。

 

特に農地をお持ちの方にはどちらの方法であってもなかなかチャンスですので、許可条件等確認の上でぜひ太陽光にトライして頂ければと思います。



3 comments for “農地でのソーラーシステムの設置 転用許可と一時転用のメリットデメリットの比較

  1. 井田均
    2014年1月7日 at 3:51 PM

    農地の上空に太陽光パネルを設置して発電する方式をなぜ行うのか、これまでは理解できなかった。これが農地転用をせずに太陽光発電に取り組むためで、税額などでメリットがあると分かった。
    納得した。

  2. 匿名希望
    2014年3月9日 at 10:37 PM

    我が家は水田と山林を所有しています。ソ-ラ-を始めた頃は日当たりの良い水田を農地転用してやれば良いと軽く考えていましたが実際やろうとしたら農業振興地域であり過去に税金を投入して区画整理(換地)した土地の転用は認めないと農業委員会から言われてしまいました。仕方なく山林を伐採して根を掘り起こし現在までに90KW設置しました。いわゆる耕作放棄地もだめなんですね。ソフトバンクの孫さんもこの点は読み違えていました。しかし考えてみれば農業をやるよりはるかに収益が上がるソ-ラ-を農家が皆始めてしまったら農地はたちまち消えてしまい深刻な食料不足が起きると思われます。今ぐらいの状態でいいんだろうと思います。我が家の周辺ではもともと水田が一反部(1000m2)100万円位だったのが最近は70万円位に値下がりしています。そして以前はほとんど価値が無かった山林が70万位に値上がりしプチソ-ラ-に生まれかわる現象が起きています。

  3. 川村英夫
    2014年3月10日 at 7:44 AM

    農地も転用出来る所だと価値は高いです。
    純粋に農業だけとなると、借地しても年1万円です。場合によってはタダで借りることが出来ます。そういう所に年貢の100年分の価値が有るのでしょうか?農業するなら買うよりも借りるのが合理的です。
    山林の価値があがっているとのことですが、今後売電価格が下がるので、元の値段に戻っていくのでは無いかと思います。

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