(フラウンホーファー研究機構HPより、ドイツ語)
PID現象をご存知でしょうか?
PID現象とは、高温、高湿、高電圧(直列にパネルをつなぐことで高圧になっていきます)による発電減衰現象をいいます。
上のテスト結果は、温度50度、湿度50度、電圧1000V(ヨーロッパで一般的なソーラーの電圧値)、48hでの試験結果後のパネルの発電能力です。
100%を維持しているパネルもあれば、ほとんど0%に近い値まで落ち全く発電しないパネルもあります。
このようにパネルの性能には実は大きな差があります。
ちなみにテストの対象となったのは下記のメーカーのパネルです。
Canadian Solar Inc., Kyocera Solar, LG Electronics, LUXOR Solar GmbH, Q-Cells SE, REC Solar, SCHOTT Solar AG, S-Energy, Sharp Solar, Solarwatt AG, Suntech Power, Trinasolar, Yingli Green Energy Holding Co., Ltd.(アルファベット順、上の表の順とは無関係です)
どのメーカーのパネルが試験後も100%を維持したかは研究機関のサイトには記載されていません。但し、日刊工業新聞と全国賃貸住宅新聞によると、100%を維持しPID現象が起きなかった4社の内訳は日本のシャープと京セラとドイツのQcellsと韓国のLG電子?といずれも先進国のパネルとのことです。
上記の記事がいずれも正しいと仮定した場合に、パネル温度50度、湿度50度と日本では普通に起こりうる環境で90%以下の性能だった、つまりPID現象が起きたパネルメーカーは、消去法によると
Canadian Solar Inc.(カナディアンソーラー), LUXOR Solar GmbH, (ルクソーソーラー), REC Solar(レックソーラー), SCHOTT Solar AG(スコットソーラー), S-Energy(Sエナジー), Solarwatt AG(ソーラーワット), Suntech Power(サンテック), Trinasolar(トリナソーラー), Yingli Green Energy Holding Co., Ltd.s(インリー・グリーンエナジー)
となります。
参照先:
フラウンホーファー研究機構 PIDテスト結果
http://www.en.csp.fraunhofer.de/aktuelles/details/id/51
ちなみにソーラー大家の扱うInventecのソーラーパネルは上記のテストより厳しい温度85度、湿度85%、1000V,1000時間で試験を実施し合格しており、耐PID(PID Free)をうたっております。
<2013年5月追記>
当初、当記事及びメルマガでは、LUXOR Solar GmbH, (ルクソーソーラー)をPID現象が起きなかったと記載しておりましたが別の試験結果であり、誤りでした。全国賃貸住宅新聞の記事を参照し、LG電産に訂正しております。
<2013年5月追記>
PID現象については、
浅川太陽光発電所の
太陽電池のPID現象について・現象の発生から捉え方について(18年間の系統連系発電実績から報告)
http://www.mt8.ne.jp/~sun/news/20121212.html
が参考になります。
日本でもPID現象は起きていることが上記のHPで確認できるかと思います。
最近、太陽光業界ではメガソーラーを中心に中国大陸製パネルが多く用いられており、なかなか日本製は採用されておりません。ただ、価格と品質は相関関係にあり、例えば日本のシャープや京セラは上記の調査結果にもあるように不良にも強く高品質です。
太陽光は20年間という長期間の投資ですので価格と同様に、品質についても是非ご留意頂ければと思います。