ソーラー大家です。
今年に入り太陽光の過積載の話題が多くあり、
50kW以下の低圧発電所で、パネルのみ80kWや70kW積むという話を多く聞きます。
FIT開始初期の頃は48kWのパネルに48kWのパワコンとパネルとパワコンの比率が1:1(100%)もしくは0.95:1(95%)といったパネルが過少でパワコンの性能を生かしきれない構成をよく見かけました。
その後パネルが多い方がよいという風潮の元でパネル比率が徐々に拡大し今では1.6:1(160%)や1.5:1(150%)といった比率も見受けられるようになりました。
過積載というのはパワコンよりもパネルの出力が多いことを指します。
このため、ソーラー大家の稼働済みの発電所の第1号発電所から最新の第4号発電所までいずれも過積載ということになります。
それではどの程度の過積載かというと下記の通り105%〜120%程度の過積載となります。
第1号発電所(105%)
パネル:パワコン=11.52kW:11kW=1.05:1
第2号発電所(113%)
パネル:パワコン=27kW:24kW=1.13:1
第3号発電所(120%)
パネル:パワコン=57.6kW:48kW=1.2:1
第4号発電所(120%)
パネル:パワコン=48kW:40kW=1.2:1
このうち、第1号発電所と第2号発電所は土地の広さの制約があったためパネル積載量が制限された結果であり、第3号発電所と第4号発電所の120%程度がソーラー大家が最も適切と考える過積載の比率です。
ただ、過積載の比率はパネルとパワコンの性能にもよりますのである程度幅があるかと思います。
不良率が少ないパネルとパワコンを使用した場合には、115ー125%程度がベストな比率と考えています。
なぜこの比率がベストと考えるかというと以下の理由によります。
過積載比率が100%の場合
・パネルがパワコンと同じ比率では、パネルは常に100%では稼働できないためパワコンの性能を生かしきれない。
過積載比率が高すぎる場合
・過積載比率が高い場合には、短期的には発電量が増大すると思われるが、パワコンのフル稼働状態が長く続き劣化が早まると考える。
保証期間の10年を超えて長く稼働させるためにはできる限りパワコンの劣化を抑えたい。
ピークカットが頻発しないようにする
ピークッカットが頻発すると想定売電金額からの上ぶれが期待しづらくなります。ピークカットの発生をゼロに抑える必要はありませんが、それなりに低い値になるようにしないと想定からの上振れが期待しづらくなります。過積載率113%の第2号発電所の想定からの年間での上振れは35.77%でした。
パワコンの変換効率を最大とする
・パワコンの性能表を確認すればわかりますが、パワコンの変換効率が最大となる最適入力は100%ではなく80%から90%ぐらいの位置にあります。
このため、どの比率だとパワコンが最大変換効率となるか逆算して考えると120%程度の過積載のパネルのときと考える。
ただ、上記はあくまでソーラー大家の考え方ですので様々な考え方があるかと思います。
一つの参考とお考えくだされば幸いです。