ソーラー大家です。
本日の日経新聞及び日経産業新聞に中国太陽光発電パネル大手の保定天威英利(インリー)新能源が今月中にデフォルトする可能性があるとのニュースが掲載されました。
以下に2015年10月1日付の日経産業新聞の記事の一部を引用します。
中国太陽光発電パネル大手の保定天威英利新能源は、13日に償還期限が来る5年物社債について、市況悪化のため赤字が続いており、償還に不確実性が存在すると発表した。発行額は10億元(約190億円)。
保定天威英利新能源はインリーソーラーの子会社ですが、本体であるインリーソーラー自身も4期連続赤字となっており、子会社の債務を肩代わりできないほどに経営状況は悪化しております。
今後インリーソーラーが実際にデフォルトした場合には、ソーラーパネルの長期保証等を受けられなくなる可能性がありますので十分にご注意ください。
<2015年10月追記>
インリーソーラー(インリー・グリーンエナジー)はニューヨーク証券取引所に上場していますので業績の推移を誰でも確認することができます。
以下は、インリー社の20-F(外国企業による年次報告書)からの引用です。
過去4期の売上高(百万人民元 1人民元=19円で換算)
2011年 14,677(2,788億円)
2012年 11,391(2,164億円)
2013年 13,418(2,549億円)
2014年 12,927(2,456億円)
過去4期の最終損益(百万人民元 1人民元19円で換算)
2011年 △3,208(△609億円)
2012年 △3,064(△582億円)
2013年 △1,944(△369億円)
2014年 △1,299(△246億円)
過去4期の純資産(百万人民元 1人民元19円で換算)
2011年 7,053(1,340億円)
2012年 4,216(801億円)
2013年 2,127(404億円)
2014年 1,301(247億円)
基本的に増資等を行わない限り純資産は最終損益の額の分だけ減少していきます。
仮に昨年と同様の業績を維持した場合には、今年の年末には純資産がほぼゼロとなります。
また、2014年末の財務諸表において継続企業の前提に重要な疑義がある旨の開示がなされていることから、2014年末の財務諸表において会社自身及び監査をしている監査法人のいずれもがインリー社の継続企業の前提に重要な疑義があると認識していることになります。
上場会社については、英語ではありますが公開情報からだけでも、例えばインリー社には倒産のリスクがあると、読み取れますので、太陽光パネルの選定においては必ず企業の業績にも留意されることを強くお勧めします。
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