(T様の千葉の発電所 一部)
ソーラー大家です。
普段ソーラー大家がお手伝いしてもお客様の発電所の安全を考慮してこのブログではほとんど触れていませんが、お客様のT様からブログに書いていいとの許可をもらいましたので、野立てソーラーの一つの参考例となると思いこちらに書きたいと思います。
(T様の千葉の発電所の一部。写真だと発電所の規模がわかりづらいかと思いますが、パネル1枚の大きさが1m×1.65mです。)
(T様の千葉の発電所 一部)
(T様の千葉の発電所 一部)
◆ソーラー大家がお手伝いした案件のご紹介
場所 千葉県某所
規模 50kW未満の低圧契約が複数基の100kW超
パネル Inventec製240W多結晶パネル
パワコン IDEC製4kWパワコン(屋内用)
(パワコンは強制換気機能付きのパワコン小屋に収納)
架台 単管架台 コンクリート基礎と杭基礎の併用(風圧を受ける箇所はコンクリート基礎)
設置 南面 パネル角度20度
施工 株式会社Suemaru
(HPには太陽光関連は記載ありませんが多くの野立てソーラーの案件を行っています)
野立てソーラーの施工方法には様々な方法がありますが、ソーラー大家としてはどのような土地でも施工できるという融通の効きやすさから単管架台を採用しております。
単管架台を検討されている方の一つの参考になればと思います。
アルミ架台の方が格好がいいし、耐久性があると思うのですが、どうなのでしょうか?
個人的には単管は信頼性が低いと思っています。
野立てソーラーで日本で20年間の実績がある浅川太陽光発電所さんも汎用性と信頼性の高さから単管架台を使用されております。
設備認定の申請時に標準単線図を皆様選択されるかと思いますが、あの配線図は浅川太陽光発電所さんが試行錯誤の上で採用されたものが今や標準となっているものです。
経済産業省 資源エネルギー庁 新エネルギー対策課の村上敬亮課長は
さらに、心配しているのは、こうした低圧で連系している小規模な発電事業者は、まったくの異業種参入組が多く、粗悪な設置工事で建設しているケースを含んでいる疑いがあることである。これが最大の懸念である。と。このように指摘をしております。
単管パイプは仮の足場などで使うものであり、長期使用を前提として無いと思います。私はこの点を気にしております。町中でも、設置された単管を見ますが、錆だらけになっております。
単管パイプで錆がまずでやすい箇所としてはクランプがあります。太陽光で使用する場合にはZAM等の亜鉛どぶづけされたものかローバル等のほぼ亜鉛の錆び止め剤を塗るいずれかの方法が取られ、ソーラー大家はクランプへのローバル塗りの方法を採用しております。
また、単管パイプにはよくホームセンターで売られている安い亜鉛メッキのもの(ピカピカしていて当初の見た目はいいです)とプロ用のより高価な亜鉛どぶづけのものがあり、ソーラー大家は亜鉛どぶづけの単管パイプを架台に採用しております。
単管パイプはこれまでにソーラーに限らず長期間にわたって多くの施工例がありますので、適切な部材を選択し、適切に施工すれば信頼性はむしろ高いと考えております。
ただ単管クランプは何も処理しないとすぐに錆び、単管パイプにも錆を移しますので、安く仕上げればおっしゃられる町中のもののようになることももちろんあるかと思います。
亜鉛について補足しますと、詳しくはローバルのHP(http://www.roval.co.jp/roval/index.html)をご覧頂きたいのですが、普通の錆び止め剤は単に空気や水分との遮断により錆を止めるのに対して、亜鉛は鉄よりも亜鉛の方が錆びやすいという電気的な性質を利用して錆び止めを行います。
適切な亜鉛皮膜を用いることで、多少の皮膜の欠けが生じても亜鉛が白く錆び安定することで鉄部の錆の進行を大幅に食い止める効果があります。
亜鉛どぶづけの単管パイプが仮設資材に利用されているのは、長期間の過酷な屋外環境でも信頼して使用できるためです。亜鉛どぶづけは工業界では信頼できる鉄材への処理方法として一般に認知されているかと思いますのでご確認されてはと思います。